半纏(はんてん)編
お祭りの楽しみ方はたくさんあります。
その中から、今回は「半纏」を中心に楽しみ方をお伝えしたいと思います。
半纏とは
お祭りでお神輿を担いでいる人の多くは、半纏を着ています。
お神輿を担ぐ人達は、それぞれのグループで担いでいる事が多く、お互いが認識し易くする為や、団結力を高めたりする効果があります。
背中にお揃いの印が入っているので見分けやすく出来ています。
半纏と法被
半纏は、元々庶民が着用する防寒着。
法被は、武士の羽織物として広まりました。
しかし、天保の改革(1841〜1843)により贅沢をする事が禁止され、羽織物をである法被も対象となりました。その法をかいくぐる為に使い方が似ている半纏が使われたようです。
その名残もあり、現在ではその違いがあまり明確にされず、半纏も法被も同じ物を刺す言葉として使われているようです。
半纏の柄
お祭りで見かける半纏の特徴として「全体の柄」「背中の印」が挙げられます。
全体の柄は無地の物や、日本で昔から使われている和柄の物もあります。
まず和柄について見てみましょう。
和柄は沢山あるので、代表的な5種類を挙げてみたいと思います。
①「吉原つなぎ」
四角い柄が鎖のように繋がっている柄です。
柄の由来は、諸説ありますが「遊郭の吉原に入ってしまうとなかなか抜け出せない」と言った少し大人な印象があります。
ですが、「人と人を結ぶ。良縁を意味する。」と言った、粋な解釈もできると思います。
②「市松」
四角い柄が交互に続いている柄です。
柄の由来は、江戸時代中期の歌舞伎役者「佐野川市松」が着用していた袴の柄がこの柄だったことからとされています。
途切れる事なく続いていく柄なので、「子孫繁栄」「事業拡大」と言った意味が込められているようです。
③「紗綾形(さやがた)」
卍の形を崩して繋げた柄です。
柄の由来は、「紗綾(さや)」と呼ばれる光沢のある絹織物の一種にこの柄が使われていたとされています。元々は「まんじつなぎ」と言われていたようです。
「不断長久(家の繁栄や長寿が長く続くこと)」が意味されています。
④「波紋様」
穏やかな波が続く柄です。
柄の由来は、雅楽の演目で「青海波(せいがいは)」と言う演目があり、そこから来ているようです。
穏やかな波が続く事から、平穏な暮らしが続いていくようにと言った意味がこめられています。
⑤「麻の葉」
六角形が重なる幾何学模様です。
柄の由来は、仏像やそれらをテーマにした刺繍の装飾に使われていたと言われていおり、麻の葉ににている事からそう言われているそうです。
麻の葉は生命力が高い事から、健やかな成長を願う意味が込められています。
まとめ
和柄の種類は沢山あり、それぞれに意味が込められています。
直接言葉で伝えず、柄に意味を込めて伝えるところに日本人の奥ゆかしさを感じます。
皆さんも、お気に入りの和柄を見つけて、お祭り以外でもプレゼントなどに活用してみてはいかがでしょうか。
今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は、半纏の背中の印について説明したいと思いますのでお楽しみに。
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